「事故で死んじゃった」
「殺されたんだ」
 そんな話を聞いてひとり考えた。
 ……僕はどうしてここにきた? なにも憶えてない。
「誰に殺されたの?」
「お母さん」
 頭が痛い。
 悲しい。
 虚しい。
 心が痛い。
 どうして?
 頭の中はそんな言葉ばかりが駆け巡る。そのうち映像が流れる。
『あんたなんて生まれてこなければよかったのに!』
『しね!』
 そういいながら僕にナイフを振り下ろす。
 この人は誰? 怖いよ。鬼みたいなこの人は一体誰なの?
 嗚呼、そうかこの人は僕の大好きなママ……。
 ママ、やっぱり僕のこと嫌いなんだね。だから迎えに来てくれないんだね……。
 自然と涙が溢れてくる。頬を伝い、血だらけの服に虚しく染みを作る。
 ただただ泣き、いつしか疲れて眠っていた。