私は過去の私の体になじんでいく。

その時、『心の私』が体からはじき出された。

『なにこれ?』

『心の私』が言う。

その声を聞き終えたときに過去の自分の体を私は起こした。

「話は後。行くよ」

「あら、空菜さん早いのね。どこかに行くの?」

加奈さんが病室に入ってきて、歩いている私を見てそういった。

「はい。ちょっと」

私は、加奈さんの隣を急ぎ足で通り過ぎた。

隣の病室に飛び込むと、そこにはお母さんたちがいた。

手にはスズランとコスモスとチューリップの花束を抱えて。

「空菜!?」

『お母さん!?』

『心の私』はお母さんのもとへ走っていこうとする。

だけど私は何もかも無視して『心の私』を思生の中に押し込んだ。

「この子の中に入って何をするかはあなたしだい。だから間違わないのないように頑張って」

私はそれだけ言った。

シイナが私に教えてくれた最初の言葉を…