中3のバレンタインの日

「卓也、守本とはどんな関係なんだ?付き合ってんのか?」

「いや、守本は只の幼馴染みだよ」

この時、人前では[凉花]と気楽に呼べなくなっていた

「じゃぁ、チョコを貰ったらどうすんだ」

「お前にやるよ。俺甘いの嫌いだし。じゃぁ、帰るわ」

教室の扉をあけるとそこに凉花が立っていた

友達との会話を聞かれ、凉花を睨み付けた

「卓、一緒に帰ろ?」

「卓って呼ぶなよ。しかも一緒になんて帰るか!ガキじゃねぇから独りで帰れるだろ」

早足で、凉花との距離を開けようとした時

「卓に渡したい物があるの。あの…」

立ち止まり、凉花に言い放つ

「俺はお前からもらうものはない」

この時、臆病な自分が凉花との距離を変えた

違う進路を選んだ俺たちは会うことも無くなった

[幼馴染み]と言う特権を使うことはできなくなり、凉花の一番身近な存在で無くなった