凉花の言った言葉

『女ぐせの悪い奴』

なぜかその言葉が引っかかる

誰が言ってたんだ…


「…かさん!邑中さん!」

呼ばれて振り向くと、氷川さんがいた

「凉花さん、元気?私、変なメール送っちゃったかもしれない。返信もないし…。変なこと聞いちゃったかもしれなくて」

「もしかして、俺のことですか?」

唐突に、笑顔で聞く

すると、氷川さんの顔が強張った

「えっと…」

「良いですよ。すず、そんな話聞いても動揺しませんし、ちなみに…」

すごい動揺してたというか、連絡すらとれなかったけど…

でも、言葉だけは出てくる

「今日もデートの予定ですし、ご心配いらないですよ」

嘘ではない

それを聞いた氷川さんはふらふらしながら席に着く

時計を見ると、6時半

今日は客が来ないだろう

独り言を呟きながら、本日の業務をすべて片付けていく

凉花の仕事が終わるのは8時頃

『仕事終わった。連絡よろしく』

するとすぐ着信音がなる

『もう家にいるから、家に来て。母には言っておくから』

俺は慌てて帰る用意をし、土産物を買い、車を走らせた