首を締め上げるラエクスの手がピタリと止まる。

…穹は続ける。

「任務結構、命令遵守結構…ですが他人に強制され、命じられ、己の意思に反して行動する生き方というのは味気ないものです…ましてやここは戦場ではなく自由な校風を重んじる天神学園ですから…」

ラエクスの締め上げが少し緩まったのだろうか。

穹は、はぁっ…と苦しげに息を吐いた。

「どうですラエクス君…ここは一つ、『自由意志』に則った生き方を選んでみてはどうです?」

「……」

その言葉に何を思ったのか。

ラエクスは穹を地面に下ろし、首から手を放した。

「やれやれ…確かに高性能ですね…首が胴体とお別れする所でした」

流石の穹も肝を冷やしたのか。

その顔はどこか青ざめていた。