ともかく、既に『正体バレ』してしまったラエクスは、天神学園の生徒達の人気者だ。

人間に限りなく近い姿の自律型ロボット。

関節部にも継ぎ目はなく、汗もかくし涙だって流す。

時間の経過と共に毛髪だって伸びる人型兵器だ。

好奇の目で見られるのは仕方のない事と言えた。

「おー、お主がラエクスか。3年のクラスに転校してきたロボット」

廊下で彼を見かけた迦楼羅が声をかける。

「…ロボットではありません」

「何が違うの?」

迦楼羅の隣にいた天眞が問いかける。

「ロボットという呼称は安直な上チープです。ロボットなどと呼ばないで下さい」

天眞の質問に、ラエクスはぎこちなく眉根を顰めた。