そんなやり取りをする龍太郎と天眞を、金色の瞳が見つめる。

入学以来刺々しい殺気を帯びていた龍太郎が、少し穏やかな雰囲気を纏いつつある。

その事を、迦楼羅は密かに嬉しく思う。

龍太郎は将来有望な男だ。

殺伐とした生き方だけで、その人生を棒に振るのは勿体無く思う。

あの男は精神修養さえ積めば、今以上に大成する筈なのだ。

『人ならざる者』として、まだまだヒヨッコの彼を見守ってやりたく思う。

「なぁ迦楼羅ちゃん、聞いてる?」

一人の男子生徒の声で、迦楼羅は我に返る。

「特定の相手いないんなら俺と付き合ってよ、なぁいいだろ迦楼羅ちゃん?」

「お主のような小僧、億年早いわ」

涼しげな顔で男子生徒をあしらう迦楼羅。