天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ

「ところで…」

穹の長い前髪に隠れた視線が、教室の中の迦楼羅に向けられる。

「彼女…七力 迦楼羅さん…誰かに似ていると思いませんか?」

「何…?」

まだ入学したばかりの龍太郎は、この学園の上級生達には疎い。

「ああ失礼、まだご存知ではありませんか」

下級生の龍太郎に対しても丁寧な言葉遣いの穹。

必要以上の慇懃な態度が、龍太郎の神経を苛立たせる。

「何の話だ!」

「いえね…」

声を荒げる龍太郎にいささかの動揺も示さず、穹は言葉を連ねた。

「浅黒い肌に金色の瞳…七力さんによく似た特徴を持つ生徒が、2年にいるんですよ」

龍太郎の反応を窺うように、そこで一旦言葉を切る穹。

「誰だ、それは?もったいぶらずに早く言え」

望んだ通りに食いつく彼に満足そうにクツクツ笑いながら。

「アスラ・メイデン君…彼女の名前を覚えておくといいですよ」

穹は口端をつり上げた。