それでもなんとかわかってもらおうと言ってみる。 「あの… お願いがあるねんけど…」 バス停を降りてふたり並んで坂道をあがってゆく。 この坂を上がればまたあの二寧坂へと続く。 「なに?」 「あの、アタシ、 小栗栖 サナって名前やから… その… サナって呼ばれたら…えっと…」 「サナって呼んだらあかんのか?」 自分から言う前にはっきりそう言われたらなんかアタシ悪い人間みたい。 だからそれが悪いっていうんじゃなくて。