「ちょっと… 用事思い出した」 アタシは立ち上がってカバンから傘を出す。 「なに? その男モンの傘? もしかして昨日の鷹峯…」 「ち…違うってば。」 「でもどっちにしてももう予鈴鳴ると思うけど?」 「大丈夫、 走っていけば…」 早くどうにかしたかったアタシはリノから離れようとした瞬間、 予鈴が鳴った。 「ホラ」 そう言ってリノがあははと笑う。 せっかくのチャンスだったのに。 遠い存在の人なうえにどこにいるかわかんないような人なんだったらどうやって傘を返したらいいんだろう。