京都マーブル・ラブストーリー


でもどうしてアタシの名前知ってる?

ああ、そっか。
あのとき。

アタシは鷹峯くんから逃げたあの日を思い出す。

きっと彼はアタシのことを彼女に話したんだろう。



何も答えないでいるアタシに彼女は続けた。

「今帰り、
ですか?」


「はい、あの、
鷹峰…さんですよね?」

消え入るような小さな声のアタシ。


「そう、こんばんは」

でも彼女は明るい笑顔で頭を下げる。

そして苦笑しながらアタシも頭を下げる。