うんうんと必死になってうなずく。 熱、 静まれーっ!!! 「アンタの困った顔、 可愛いな?」 へ? なにその余裕。 こっち必死なのに! 少しして市バスがやってきてアタシは乗り込む。 ずっと続いていた緊張感から解放されると思ったらちょっとホッとした。 ドアが閉まる瞬間、 彼は大きな声でアタシに言った。 「アンタ、名前はっ? 俺…鷹峯…!」 ブーッ! バスの扉の閉まるブザー音で彼の最後の声がかき消された。