移動教室の帰り。 リノとは選択授業で違う教科を選んでいるアタシはひとり廊下を歩いて教室へと向かう。 こういうのって面倒くさいなあ。 短い貴重な休み時間がもったいない。 「サーナちゃん?」 へ? だれ? 呼んだ? そんな風に「ちゃん」付けでアタシのこと呼ぶの。 びっくりして振り向くとそこに知らない男の人が笑って立っていた。 だれ? この人。 思わず顔をしかめる。