3月14日。 午後6時。 いつもなら家にいる時間。 校門の右横に俺はいた。 部活の終わる時間。 アイツが、帰る時間…。 「……遅ぇなぁ。つーか寒ぃ〜…」 3月とはいえ、まだ肌寒い。 俺は身体をさすった。 「あーもう早く来いよ!」 「え?誰か待ってるの?」 「あ…。」 「せっかく帰宅部なのにね。こんな時間まで学校で何してたの?」 にこぉ、と優しく笑う君。 幼い頃の面影が少し残る、かわいい女の子。 …俺の好きな人。