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「何？」
放課後の教室。
仏頂面で、ふてぶてしく一言だけ放つ私と、
この前みたいに、切なそうな表情の壮紀。
……そんな顔しないでよ。
辛くなっちゃうじゃん。
見ていられなくなって、視線を逸らした。
「あのさ、俺、この前……」
そこで言葉を途切り、難しい顔をして、黙ってしまう。
言いたいことは分かってる。
でも、私が言いたいことは、何なのだろう。
「ごめん」と謝られたなら、「いいよ」と言って笑うのか。
「この前のことはお互い忘れよう」と言われたなら、怒るのか。
今更彼に「好き」と言っても、優しい壮紀は、優しい言葉で断るだろう。
あぁもう。分からない。
