もやもやした気持ちを吐き出しても、友達に迷惑や心配をかけてしまうのはダメ。
迷惑や心配をかけるくらいなら、自分で抱え込んだ方がマシだ。
「そうだよね。」と、私に言い聞かせ、千波から貸してもらったノートを開き、綺麗に整った字が並ぶページをめくっていく。
すると。
「っはよー鈴音!!もう元気になった?!」
急に、ガササッとノートが真上に取られた。
それと同時に降ってくる、今一番逢いたい人の声。
「…壮紀……。おはよ……」
壮紀の今の顔は、
保健室の時みたいな顔じゃなくて。
「私」への気持ちを隠そうと必死な顔だった。
どこか罪悪感を感じさせる、薄っぺらい作り笑いを浮かべた顔。
何となくだけど、
顔を、見れなかった。


