――翌日。
バッチリ髪も緩めに巻いて、いつもみたいに、ファンデーションとグロスだけ薄く塗る。
よし。大丈夫。
パチンッと小さな手鏡を閉じ、ポケットの中へ入れる。
壮紀とは、何の事について話せばいいんだろう。
まずは、「この前はありがとう」からだよね。
それから……キス、の話?
何を言えば良いのか、全然分からない……!!
剣と千波に相談?
でも、病み上がりだし、また余計な心配かけちゃうからダメだよね。
剣は慌てそうだし、千波は相談しやすいけど全部打ち明けちゃうのも……。
「どうしよ……」
こんな時って、友達に言っても良いのかな……?
「あれ?鈴音?」
急に後ろから声を掛けられて、バッと振り返る。
立っていたのは、今日も綺麗な剣。
後ろには、ファンの女の子たちもずらりと並んでいる。
「おはよっ。具合どう?良くなった?」
「おはよー。うん、もう平気!この前は色々とありがとね!」
第一段階クリア!


