羽みたい。
軽くて、ふわふわしてて。
これ、もしかしてキス?
静かに目を閉じ、自然に壮紀のシャツを、きゅっと握り締めた。
もっとして……?
もっと、もっとして欲しい。
一度離れて、また重なる壮紀の唇を、私は求めていく。
音も立てず、ただ重ねるだけ。
天使の羽に触れるような、そんな感覚。
「壮紀……」
離れた瞬間、名前を呼ぶ。
それと同時に、目尻から一粒だけ涙が零れた。
もっとして?
そう言おうとした、直後だった。
「……ごめん!」
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