ああ、もう。
今日の私は、タチの悪いかまってちゃんだ。
そんなタチの悪い私は、壮紀のシャツの裾をわざとらしく掴み、少しだけ引っ張る。
こんな事したら、壮紀でも引くよね。
自分への嘲笑が頭に響き、スルリと手を戻す。
ほら、やっぱり。
困った顔してる。
ごめんね、壮紀。
情けない私の顔を見られたくなくて。
布団を頭まですっぽり被り、壮紀に背を向ける。
「……鈴音」
うん。
「何?壮紀……っ?」
呼ばれて、布団から顔だけ出すと。
ふわりと、唇の上に軽いものが重なった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…