「おはようございます!」

「おはよ、宮本くん」

「あ、姫おはよ!」

「もー佐原くん。姫ってやめてよ」


朝、普通に学校の門をくぐると

みんなに挨拶された。

これはいつものこと。


「やっぱ姫可愛いな〜」

「彼氏とかいんのかな?」


これも、いつものこと。


…だけど、わからない。

なぜ私が"姫"なのか。

私の名前、南 雪姫なんだけど。

……漢字が姫だから?

普通そんなとこから取るかなぁ?


─ぶるっ!


うっ…!寒気がする……((((゜д゜;))))

もしや……あ、あいつが…


逃げないとっ!!!


と、思った時にはもう遅かった。


「ゆーきっおはよ!」


─ぎゅう


背中には生暖かい感触。

肩にはがっしりとした腕。

顔の前に繋がれた、私のではない手。


そう…抱きつかれた、という行為。