「唯?」
「夢子は私たちに気を使ってんのよ。場を暗くさせないために」
白波ちゃんに耳打ちする唯ちゃん。
でも内容はしっかりと私の耳に届いていた。
気を使う?
暗くさせる話のネタ、私持ってたかな?
まぁ、いいや!
私はそういうこと気にする性格じゃないし〜。
二人が私に秘密にしたいと思っている内容らしいからあまり触れないであげよう!
「あ、そうそう!聞いて聞いて!今度の週末、友達の誕生日だからプレゼントをあげたいんだ!」
だから私は明るい話を出した。
「そ、そうなの?」
「うん、だから今日の帰りプレゼント買うの付き合ってくれる?」
私はプレゼントを買うのが楽しみでウキウキしてた。
けど、実ちゃんも白波ちゃんも唯ちゃんも、お互い顔を見合わせていた。
三人の顔は引き攣っているようで、私を心配している表情。
な、何?
「それって、誰の誕生日なの?」
実ちゃんは表情を固くしたまま聞いた。
誰?
「西高の私の親友だけど……」
何?
三人はまた顔を見合わせる。
三人の表情は青くなっていた。