夕食を済ませた後は、全員で酒を飲んだ。


賑やかな食卓はどこか懐かしくて、そんな感覚がくすぐったくもある。


母親と義姉は途中で席を立って、すぐ隣のキッチンで片付けを始めた。


それからしばらくすると、父親は酔い潰れてしまった。


「お前、仕事辞めたんだって?」


二人きりになった途端に振られた話題に、思わず苦笑を零す。


「……母さんから聞いたのか」


「あぁ、さっきな。心配してたぞ」


「わかってる」


キッチンを気にしながら小さく頷くと、兄貴が射るような視線を向けて来た。