一口吸ったタバコを口から離し、ため息と一緒に煙を吐いた。


「……勝手に吸うなよ」


隣で苦笑する冬夜には何も言わずに、窓の外に視線を遣る。


流れる景色の上には、真っ暗な空。


相変わらず月も星も見えない夜空は、やっぱり淀んでいて…


それをわかっていても空を仰いでしまう自分(アタシ)に、いい加減呆れていた。


どうやら、あたしには学習能力が無いらしい。


月が見えない事にも、これから冬夜とする行為にも嫌気が差して…


あたしは思考を閉ざすように、ゆっくりと瞼(マブタ)を閉じた――…。