【Side‥冬夜】 いつもと何も変わらない朝だった。 朝食を済ませた俺は、スーツを身に纏って玄関に向かった。 「じゃあ、行って来る」 「うん」 「今日は面接の帰りに職安に寄るから、ちょっと遅くなるかもしれない」 「……わかった」 俺の言葉に柚葉が小さく頷いたけど、その雰囲気が何だかいつもと違う気がして… 「どうかしたのか?」 首を傾げながら訊いて、伏し目がちな彼女の顔を覗き込んだ。 すると、柚葉はまるで何かを隠すようにフワリと微笑んで、首を小さく横に振った。