「心配掛けて、ごめんなさい……」


「いいのよ。だって、おばさんが勝手に心配してただけなんだもの」


そう言われても眉を寄せたままのあたしに、吉岡さんが優しく微笑む。


「子供がいないせいかしらね……。柚ちゃんの事が気になって、ついお節介になっちゃうみたい」


それは、都会の中の空はこんなにも綺麗だったのか、なんて思ってしまう程の優しさだった。


その温もりに、心の中が感謝の気持ちでいっぱいになる。


上手くお礼を言えないあたしの気持ちを汲(ク)むように、吉岡さんは目尻にシワを刻んだ笑顔のまま続けた。