群青の月

「どこ行くのよっ!?」


「離してよっ!!」


手首を掴まれたあたしは、母の手を乱暴に振り解いて睨み付ける。


あたしが出て行こうとしている事に気付いた母が、鬼のような形相で睨み返して来た。


「アンタ……今まで誰が育てて来てやったと思ってる訳!?今までの分、ちゃんと恩返ししなさいよ!」


「あたしを売ったアンタなんか、母親じゃないよっ!!」


「私だって今まで体を売ってアンタを育てて来たんだから、今度はアンタが体を売る番なんだよっ!!」


あたし達の怒鳴り声が、壁を弾くように部屋中に響いた。