群青の月

そのまま眠ってしまっていたのか、次に意識がハッキリとしたのは顔に冷たさを感じた時だった。


虚ろな瞳に映る部屋の中は明るくて、まだぼんやりとしながらも顔が濡れている事に気付いた。


「起きなさい!」


不機嫌な声とともに降って来たのは、コップ一杯の水。


パシャッと音が鳴った瞬間、それはあたしの顔に命中していた。


その直後、さっき感じた冷たさも目の前にいる母が掛けた水のせいなんだ、って事に気付く。


だけど、それすらもどうでも良かった。


眉を寄せた母が、あたしの髪を強く引っ張った。