【Side‥柚葉】 「……ねぇ、どうして何も訊かないの?」 そう訊いたのは、あの日から5日が経った夜の事だった。 ピクリと反応した冬夜が、あたしの体を抱き締めていた腕の力を緩める。 そのままあたしの顔を覗き込んだ彼は、目を大きく見開いていた。 「お前……話……」 片言(カタコト)で話した冬夜が、何を言いたいのかはよくわかる。 だって… あたしが言葉を発したのは、あの日から初めての事だったから…。 冬夜は驚きを隠す様子も無く、ただあたしをじっと見つめていた。