群青の月

「冷たいうちに飲めよ」


優しく促されるままに、グラスに口を付けた。


氷のお陰でよく冷えていた水は、あたしの渇き切った喉を一気に潤す。


それを飲み干した頃、自分が汗だくだって事に気付いて…


手の甲で首元を拭うと、今度はタオルが差し出された。


また自分の欲した物が出て来た事に少しだけ驚いたけど、とりあえずそれを受け取ろうと手を伸ばす。


だけど…


「じっとしてろ」


力強い眼差しで言った冬夜があたしの額にスッとタオルを当て、肌に纏わり付いている汗を優しく拭い始めた。