「どうした?」


ドアが静かに開いた直後、あたしを見た冬夜が不思議そうな顔をしながら入って来たから、慌てて手を引っ込めた。


「別に……」


喉があまりにも渇き過ぎて、出した声がそこに張り付くみたいで気持ち悪い。


起き上がってベッドから降りようとすると、冬夜がそれを制するようにベッドサイドに腰掛けた。


「ほら、水だろ?」


欲していた物を差し出された事に驚いて目を見開くと、彼が少しだけ得意気にフッと笑った。


「いつも一緒にいるから、何となく柚葉の事がわかるようになって来たんだよ」