「本当に……平気なのか?」


疑うと言うよりも、心配してくれているんだって事はわかったけど…


今は話す気力も無くて、何も言わずに小さく頷いた。


「……タオル、持って来る」


冬夜はそう言い残して、ベッドルームから出て行った。


その瞬間、言葉には出来ない大きな不安に襲われて、体がビクリと強張った。


反射的に深呼吸を繰り返して、とにかく何も考えないように努めながら手を伸ばす。


隣に残る温もりを確かめるようにシーツをそっと撫でると、心を包む不安が少しずつ離れていく気がした。