後もう少しで、頭の中まで白(シラ)んでしまいそうだった。


だけど…


「柚葉っ!!」


あたしを呼ぶ声にハッとして、すぐに意識が鮮明になった。


「大丈夫か?随分うなされてたぞ……」


不安そうな表情の冬夜が、あたしの頬にそっと触れて来る。


その瞳がどこか傷付いたようにも見えて、何故か胸の奥がチクリと痛んだ。


「柚葉?」


「へー、き……」


ぼんやりとしていたあたしは、今は現実の世界にいるんだと理解して力無く呟いた。


すると、冬夜が悲しげに眉を寄せた。