「……柚葉?」


その声に横を向くと、冬夜が怪訝な表情であたしを見つめていた。


思わず、小さなため息を漏らしてしまう。


「だから……再契約の事なら、ちゃんと覚えてるって」


「いや、そうじゃなくて……」


「じゃあ、何?」


すかさず訊き返すと、冬夜の顔に少しだけ戸惑いの色が浮かんだ。


そしてその数秒後、彼は真剣な表情になった。


「……何かあったら、ちゃんと言えよ」


「は……?」


あたしはあまりにも唐突な言葉にキョトンとして、目を小さく見開いた。