【Side‥柚葉】 いつも通りの淀んだ夜空の下、久しぶりにあの路地裏の一角に立っていた。 さっきから絶えず漏れる大きなため息は、これから自分の身に起こる事を考えるだけで、憂鬱や苛立ちが募っていくから…。 冬夜との契約のお陰で、しばらくは体を売らなくて済んでいた。 だけど… あの関係がいつまでも続かない事をわかっていたから、また体を売る為に彼とはもう会わないと決めた。 それなのに… あたしは、最後に冬夜と会った日から今日までのこの1週間の間に、一度もここに来ていなかったんだ――…。