群青の月

「何す……キャッ!」


言葉を遮るように柚葉の体を持ち上げると、不機嫌な表情ばかりの彼女からは想像出来ないような、可愛らしい声が漏れた。


その瞬間、不覚にも心臓がドキリと跳ね上がったけど…


必死に平静を装って、動揺を隠すように急いでベッドルームに向かう。


「ちょっと!何するのよ!?」


慌てたように体を捩(ヨジ)る柚葉を、力で押さえ込む。


「……やっぱり気が変わったって訳?」


ベッドに降ろした途端に嘲笑を見せた彼女は、侮蔑(ブベツ)するような表情で吐き捨てた。