あの夜から、一ヶ月が過ぎた。 涼子のことは心の中に留めていても、何の結論も出ないまま、次第に足も遠退いていった。 想い出の中の涼子は、11年経って何も変わらずに、俺の前に現れた。 好きだった。抱きしめたかった。 でも、それは終わった恋。 一人きりのリビングでため息を吐いた。