たったそれだけで、あたしの心は孝太に掴まれてしまう。 なんだか、ズルい。 「ね、続きを聞いてくれる?」 そう想っても、頭の上から落ちてくる孝太の声が心地好くて。 あたしは小さく頷いた。 「プロポーズは指輪を用意してから」 「うん」 「だから、安心して待ってて」 「う、うん」 ……間違いじゃないよね? でも、それって何時なの?待つって、どれぐらい? 「ホラ、また変な顔して」 孝太はクスクスと笑いながら、あたしを引き寄せた。