いつもと何も変わらない。 あたしたち。 好きだから、きっと。怖くなるのかなと想う。 だから、いつか終わってしまう、その瞬間を意識してしまうのかな。 無くすのは初めてじゃないあたしと、無くしたことがない孝太。 「カナ?」 名前を呼ばれてハッとする。 「ん?」 「ビールでいいよね」 そう言って、あたしの返事を待たずに「すみませーん」と店員さんを呼ぶ。 孝太が「弓枝ちゃーん」と言った。