出て行こうとする孝太の背中に、抱きついて引き止めたかった。 それなのに、あたしは動くことが出来なかった。 孝太のあの瞳が、あの冷たい声が、あたしに拒絶を伝えたから。 「信じられなくて、ごめん」 一人きりの部屋でポツリと呟いた。 孝太があたしを裏切る訳が無いのに。 どうして、信じられなかったのだろう。 元カレに浮気されて、酷く傷ついたあたしの傍に居てくれた孝太。 その孝太が同じことをするはずがないのに。 あたしはバカだ……。