泣き顔にサヨナラのキス

 

 
愛されてると錯覚してしまいそうなキスだった。



唇が離れると、原口係長はまたあたしを抱き締めた。



「悪い」


「謝るぐらいなら、しないで下さい」


「そっちじゃなくて、このタイミングでって事だよ」


「意味がわかりません」


「お前、バカだからな」



何なのよ……


なんか、もう、頭の中がグチャグチャ。


何も考えられない。