お酒を呑んだからか、一度逢いたいと想うと、その思考を止めることが出来なかった。 ドキドキと、今から告白でもするみたいに、胸が高鳴っていた。 「あの、あたし孝太の」 「あ、いいよ」 「え?」 「お前の考えそうなことは大体わかる。孝太の家に行きたいんだろ、了解」 そう言った原口係長は、タクシーの運転手さんに行き先を告げた。