お手洗いに席を立った。 木製の扉を押して中に入ると、忽ち心地好いアロマの香りに包まれる。 薄暗い照明の下では、あたしでも美人に見えるから不思議だ。 視線を手元に移すと、「ご自由にお使いください」と書かれた小さなプレートに目が止まった。 洗面台の引き出しには、あぶらとり紙や綿棒など、化粧直しに必要なアイテムが邪魔にならないように置かれていた。