あなたは先生。あたしは生徒。

「君、見ない顔。初めてだよね?」



マスターがあたしに声をかけた。



マスターは、見た目25歳前後。



凄く優しい瞳をしていて、顎髭が良く似合ってる。



めちゃくちゃ格好いい…。


「はい。昨日この辺に引っ越して来たんです。」

「そうなんだ。未成年でしょ?」

「見えます?」

「そうだね、俺が見たところ16か17ってとこかな?」



今まで周りの友達や付き合っていた彼氏たちは皆口をそろえて『大人っぽい』と言っていた。



制服を着ていなければ20歳くらいにしか見られた事がない。



「凄い!!16です!!初めて実際の年齢に見られた!!」

「やっぱりね。うちは未成年に飲ませるお酒はないよ?」

「マスターケチ!!お酒はいいから何か食べさせてください~…。一人暮らしみたいなもんで朝から何も食べてないの。」

「朝から!?じゃぁちょっと待ってな。」

「はい!!」



そう言うとマスターは手際よくおいしそうなナポリタンを作ってくれた。