「花、さっきから春輝と喋ってる女って誰よ!?」

「わかんない。でも何かいい感じ?」

「春輝も隅に置けないねぇ!!」

「あたし、そろそろ帰るよ。」

「マジ!?じゃあ送ってくわ。」

「いいよ!!誰かに見られたらマズイし…」

「お前んち近いし、こんな夜中に一人で帰せねぇだろ…。春輝、俺ら帰るから。」



そう言って春輝に花と俺の分の金を渡して店を出た。



「大和、今からじゃ終電ないよ?」

「そうだな…」

「どうすんの?」

「春輝んちにでも、ってあの女がいたら困るしな…。」

「家に泊まる?ってか泊まってって…。」

「マジ!?」

「今日だけ…。」



花は縋るような目で俺を見る。



「どうなってもしらねぇぞ…。」



やっぱり俺は花に弱い。



あんなに我慢してた物が一気に崩れ落ちて行った。