あなたは先生。あたしは生徒。

5分後



「失礼します…」



花が来た。



「おぅ。ちょっといいか?」

「何ですか?先生…」

「ちょっとそこに座れよ。」



俺は部屋の隅にある古いソファーを指さした。



花は黙ってソファーに座る。



俺は気持ちを落ち着かせるためにタバコに火をつけた。



「何か用があるんですか?」

「俺、アイツと別れたんだ。」

「えっ?」

「今から言う事は全部本当のことだから、信じてくれるなら話聞け。」

「わかった…」



俺は今まであった事を全て花に話した。



「うそだ…。」

「本当だ。やっと昨日終わったよ…。」

「あたし、そんなの全然知らなくて…」

「加藤と付き合ってんだろ?」



下を向いていた花が俺に視線を移した。



「別にかわまないよ。俺が悪いんだしな…。だから、お前を俺の所に連れ戻すだけだ。」

「……。」



俺の話を聞いた花は今にも泣き出しそうな顔をしている。



俺は花に近寄る。



「俺のとこに戻って来てくれない?」

「大和…」



俺はポロポロと涙を流す花を抱きしめた。