あなたは先生。あたしは生徒。

春輝が続ける。


「歩夢、お前だって自分を好きなってくれない男といたって辛いだけだろ?もう意地張るのやめろよ…。な?」



その言葉に歩夢は静かに頷いた。



「あの日、大和とあの子が一緒にいる所見て、嫉妬したの。大和の目が、あの子を見る目が見たこともないくらい優しそうで。3年も付き合ってたのに、あたしには向けてくれた事がない目をしてた。」

「歩夢…」

「こんな事してごめんね。別れてからもズット好きだったのは本当。でももう分かった。あたしじゃ無理なんだって。意地張るのはやめるよ…。悪い女も疲れたし!!」

「歩夢、ごめんな…」

「あたしの方こそごめんなさい。大和コレ、あたしに頂戴。」



歩夢はテーブルの上にある退職願いを手に取った。



「これはいらないよ…」

「歩夢!!」



見事に粉々にされた退職願い。



「私、帰ります!!花ちゃんだっけ?謝っといてもらえるかな…。」

「えっ?あ、あぁ…」

「じゃあね、大和…。春輝君も、迷惑かけてごめんなさい。」

「歩夢、今度はいい男捕まえろよ!!俺みたいのじゃなくて、真面目な男だぞ。」

「わかってるよ!!大和より幸せになってやるからー!!」



ごめんな歩夢…。