「勝手にしろ。俺は明日辞表を出してくるつもりだ。」



俺はポケットから退職願いを取り出してテーブルに置いた。



「あの写真ばらまけばあの子はみんなから冷たい目で見られながら生活するのよ？それでもいいの？」

「あいつは、花はそんなに弱い人間じゃねぇよ。俺が花の支えになる。」

「ねぇ、どうして私じゃダメなの？」

「お前がダメなんじゃない。俺はアイツがいいんだ。」

「嫌…。あたし、大和が浮気してた時だって目を瞑って許したじゃない!!あの時も、今も、どうして私を見てくれないのよ!!」

「あの時は本当に悪かったと思ってる…。でも、もう過去なんだよ。俺はもう、お前を好きにはなれねぇ。」

「いやぁ!!」



その時ずっと俺たちを見ていた春輝が口を開いた。



「歩夢、もういいだろ…。もう大和を自由にしてやれ。大和は歩夢と別れてからすげぇ荒れてたんだぞ。でも花ちゃんと出会って大和は変わったんだよ。」



歩夢は手で顔を覆ったまま泣いているだけで何も話さない。