あなたは先生。あたしは生徒。

朝陽の気持ちが痛い…。



「花、俺の事、少しは好きになった?」



あたしは何も答えない。



答えられない…



「うそ~。俺、長期戦で行くことにしたからさ。」

「ごめんなさい…」

「じゃあキスしていい?」



その言葉と同時にあたしの唇は塞がれていた。



「ダメって言われてもしてたけどね?」



朝陽のそういう少し強引なとこ、好きだよ?



それから朝陽はあたしを抱きしめる。



「花、本当に好き。こんなにマジになったの花が初めて。離したくねぇ…」



朝陽、好きって言葉は今のあたしには重すぎるよ…



答えられなくてごめんなさい。



あたしの中はまだ大和でいっぱいなんだ…



でも、朝陽を好きになれるように頑張るね…



その日はそれ以上なにもしないまま帰った。



あたしは何がしたいんだろう…。



大和を忘れるために朝陽を利用する。



それとも大和がいない寂しさを朝陽で埋めてるだけ?



このまま朝陽を傷つけていいわけない…。



でも大和からもらった指輪もネックレスも外せないよ…。



もうわからない。