後ろなんてどうでもいい。走っていた。 それからしばらく、転校生を無視していた。 転校生を無視し、 転校生をひたすら無視していた。 転校生をイロイロな所に連れていってやろうと思っていた。 俺は転校生が好きだ。 転校生が普通であったら、 転校生が。 人形の目でなかったら。 転校生が好きだ。 でも、目が怖い。 目さえ、目さえなかったら。 目さえ。 「影無君」 寺崎に話しかけられた。 俺は寺崎のことを、