その子には悪いけど、
俺はいい機会だと思った。
おためしでもいいって言ってくれてるし…
そう思い、俺はいいよって軽く言ったんだ。
水瀬亜紀って子は、普通に可愛い子だった。
学校でも結構モテるほうらしい。
「うっそっぉぉぉおぉ!!!???
本当にいいんですか!?!?
やったぁぁぁぁあ!!!」
最初のおとなしいイメージと違って、
水瀬はすごく明るい子だった。
でも俺は、
顔では笑っていたけど、
うわべでは水瀬を好きになるって考えてたけど、
本音は、
「玲の事を恋愛対象として見れなくなる日がくるはずない」
そう思ってたんだ。
「えと、名前で呼んでも、いい?」
上目遣いで聞いてくる水瀬。
狙っているつもりはないんだろう。
天然の子は好きだ。
俺、この子とちゃんと向き合えるかな…?
頭の片隅でそんな事を考えながら、俺は水瀬と色々な話をした。